- 1座れる席を一つ決めて作る
- 2タイルや古材と黒いアイアン
- 3鉢植えと電球色の灯り
カフェ風の外構とは
カフェ風の外構は、特定の国の様式ではなく、「居心地のよい小さな店の雰囲気」を手本にしたスタイルです。素材の決まりはゆるやかで、タイル、古材、黒いアイアン、レンガ、植物の鉢などを組み合わせて、肩の力の抜けた温かい空間をつくります。
大切なのは、眺めるための庭ではなく、座って過ごすための庭であることです。テラスやデッキに椅子とテーブルを置き、日差しをさえぎる屋根や布を掛け、夕方には灯りがともる。その一角を中心に、門まわりやアプローチにも同じ素材と色を広げていくと、家全体がひとつのカフェのような表情になります。
カフェにも、白い壁と木の家具で軽やかにまとめた店、古材とアイアンで落ち着いた雰囲気にした店、タイルと植物で南の国のように明るくした店があるように、カフェ風の外構にも幅があります。最初に、自分が好きな店の雰囲気を一つ思い浮かべ、その店の床、壁、灯りの色を手がかりに素材を選ぶと、方向がぶれません。

合う家・合う暮らし
外壁が白や生成り、淡いグレーの家、黒い窓枠や玄関扉を持つ家と相性のよいスタイルです。掃き出し窓が庭に面した家なら、室内と外の席をつなげやすく、カフェ風の良さが最大限に生きます。外観の様式を問わず取り入れやすい点も特徴で、簡素な家でも素材と小物で雰囲気をつくれます。
暮らしの面では、家で過ごす時間を大切にしたい人、友人を招いてお茶をする機会が多い人、在宅で仕事をしていて気分を変える場所が欲しい人に向いています。反対に、外に出て過ごす習慣がない場合は、席をつくっても使われずに終わることがあるので、どの時間帯に誰が座るかを具体的に思い描いてから計画してください。
素材と色の選び方
席の床は、タイルかウッドデッキが中心です。タイルは、素焼き風やセメント調、少し色むらのある物を選ぶと、カフェらしい落ち着きが出ます。デッキなら、樹脂木でも濃いめのブラウンやグレーを選ぶと、黒い金物とよく合います。
そこに、黒いアイアンの手すりや照明、古材の目隠し、レンガの花壇を少しずつ加えます。色は生成り・黒・木の茶色を基本に、植物の緑が映えるようにまとめます。素材の種類が多くなりやすいスタイルなので、床・壁・金物それぞれで一種類ずつに絞ると、雑然とせずにすみます。
| 部位 | 合う素材 | 絞り方 |
|---|---|---|
| 席の床 | タイル・ウッドデッキ | どちらか一つ |
| 目隠し・壁 | 古材・塗り壁・レンガ | 一種類を主に |
| 金物・灯り | 黒いアイアン | 色を黒でそろえる |
カフェ風だけの所:席をひとつ決める
カフェ風の外構は、他のスタイルと違い、計画の出発点が「どこに座るか」です。アウトドアリビングが庭全体を第二の居間として広く使う考え方なのに対し、カフェ風は、二人から四人ほどが座れる小さな席を一つ丁寧につくり、そこからの眺めと居心地を詰めていきます。
席の場所を決めるときは、三つのことを確かめます。一つ目は、通りや隣家からの視線です。座ったときの目線の高さで外から見えないかを確かめ、必要なら席の背後だけに目隠しを立てます。二つ目は、日差しと風です。夏の午後に西日が当たる場所は、屋根や布の日よけがないと使えません。三つ目は、室内からの距離です。キッチンからカップを運べる近さにあるかどうかで、使う回数が大きく変わります。
この席が決まれば、あとは席から見える景色に植物を置き、灯りを添え、門まわりにも同じ素材を少し使う。順番を逆にして、先に門まわりや塀を決めてしまうと、カフェ風の要である居心地が後回しになります。
植栽
植物は、地植えよりも鉢植えを多めに使うと、カフェの店先のような雰囲気になります。素焼きの鉢、ブリキの容器、木箱など、器の素材を少しずつ変えて並べ、高さの違う植物を組み合わせます。オリーブやユーカリのような葉の明るい木を大きめの鉢に一本、足元にローズマリーやミントなどのハーブを置くと、香りも楽しめます。
席の上に日陰をつくりたい場合は、パーゴラにつる植物を這わせる方法があります。ブドウやモッコウバラ、ハゴロモジャスミンなどは、夏は葉で日差しをやわらげ、季節ごとに表情を変えてくれます。ハーブは料理やお茶にも使えるので、席の近くに植えておくと、庭とキッチンが自然につながります。
鉢植えが多くなるぶん、水やりの手間も増えます。席の近くに立水栓を設け、鉢を置く場所の床は水が流れても困らない素材にしておくと、日々の世話が楽になります。冬に室内へ取り込みたい鉢は、移動しやすい大きさにとどめておくのがこつです。
門まわり・駐車場・塀の組み方
門まわりは、店の入口のような小さな演出が似合います。塗り壁やレンガの門柱に、黒いアイアンの表札と、笠付きの壁掛けの灯りを付け、足元に鉢植えを一つ置く。ポストや宅配ボックスも黒でそろえると、通りからの印象が引き締まります。
駐車場はコンクリートで仕上げ、席のあるテラスとの境にレンガの花壇や低い目隠しを置いて、車が席から目に入りにくいように区切ります。塀は、通りに面した側を閉じすぎず、席の背後だけを高めの目隠しにするなど、必要な所だけを囲う形がカフェ風の開放感を保ちます。
玄関までのアプローチは、席の床と同じタイルや、それに近い色のレンガでつなぐと、門を入った所から庭の席までがひと続きに感じられます。小道の脇に低い灯りを二つ三つ置き、夜に帰ってきたときに席のほうまで光が続いているようにすると、カフェ風の外構らしい迎え方になります。
費用の目安
カフェ風の外構は、席の床、日よけ、灯りと電気の工事が費用の中心です。数字は目安で、地域・敷地・材料で変わります。
| 工事 | 目安 |
|---|---|
| タイルテラス | 1㎡あたり1.5万〜3万円(一般的な広さで25万〜50万円) |
| ウッドデッキ(6畳程度) | 30万〜60万円 |
| アプローチ灯(フットライト) | 1つあたり5,000円〜2万円 |
| 照明の電気工事 | 1か所あたり1万〜2万円 |
| 外部コンセントの増設 | 1か所1万〜3万円 |
| デザイン性の高い立水栓 | 8万〜20万円 |
外のコンセントは、灯りやコーヒーを入れる道具、夏の扇風機などに使えるので、席の近くに一つ設けておくと便利です。電気の配線は後から足そうとすると壁や床を掘り返す手間がかかるので、計画の早い段階で位置を決めてください。
失敗しやすい所
もっとも多いのは、つくった席を使わなくなることです。夏は日差しが強すぎ、冬は寒く、春と秋は虫が気になる。こうした理由で、使える季節が思ったより短くなることがあります。日よけを最初から計画に入れ、席の位置を家の近くにするだけでも、使う日数はかなり変わります。
次に、灯りの選び方です。明るさを求めて白い光の照明を上から当てると、カフェの温かさは消え、駐車場のような景色になります。電球色の灯りを低い位置や壁に分けて配置し、まぶしさを抑えることが大切です。もうひとつは、小物の置きすぎです。鉢や雑貨を増やすほど雰囲気が出るように感じますが、数が増えると掃除や水やりが追いつかず、手入れの行き届かない印象になります。鉢は世話が続けられる数に絞ってください。
家具の置き場所も忘れがちです。屋外用の椅子やクッションは、雨や日差しにさらし続けると傷みが早くなります。使わない季節にしまえる物置や軒下の場所を、席の計画と一緒に決めておくと、席がいつも清潔に保たれ、座りたいときにすぐ使えます。
よくある質問
狭い庭でもカフェ風にできますか。
椅子を二脚置ける広さがあれば成り立ちます。玄関ポーチの脇や、建物と塀の間の細い場所でも、床をタイルにして背後に目隠しを立て、灯りと鉢を一つずつ添えれば、小さなカフェの席になります。
タイルとウッドデッキ、どちらが向いていますか。
タイルは掃除がしやすく、雨上がりにも乾きやすい素材で、椅子を引きずっても傷みにくいのが利点です。デッキは足ざわりがやわらかく、室内の床とつなげやすいのが利点です。室内から段差なく出たいならデッキ、雨の後もすぐ使いたいならタイルが向いています。
通りから席が見えるのが気になります。
席の背後と横だけに、座ったときの目線の高さを隠す目隠しを立てると、塀で全体を囲わなくても落ち着いて過ごせます。古材や塗り壁で目隠しをつくれば、それ自体がカフェらしい壁になります。
アウトドアリビングとの違いは何ですか。
アウトドアリビングは、庭全体を居間の延長として広く使い、食事や遊びなど多くの用途を持たせる考え方です。カフェ風は、小さな席を一つ丁寧につくり、素材と灯りで居心地を高めることに重きを置きます。
雨の日も使える席にできますか。
テラスの上に屋根を架ければ、小雨の日でも席に座れます。屋根は光を通す素材を選ぶと、室内が暗くなりにくくなります。家具は雨に強い素材の物を選ぶか、使わないときにしまえる置き場を近くに用意しておくと、手入れが楽になります。
虫が気になって外の席を使わなくなりそうです。
水がたまる受け皿や、湿った落ち葉は虫を呼びやすいので、こまめに片づけることが基本です。灯りは虫の集まりにくい光の色の物を選び、席から少し離れた所に置くと、夜の席でも過ごしやすくなります。席の近くにハーブを植えるのも、気分よく過ごす助けになります。
参考にした資料
- 新築の外構費用の相場はいくら?内訳と費用を安く抑えるコツ10選(CREX GROUP)(crexgroup.com)




