- 1室内と同じ高さで床を外へつなげる
- 2屋根と目隠しで外を一つの部屋に変える
- 3使う時間に合わせて灯りと動線を組む
アウトドアリビングとは
アウトドアリビングは、家の中のリビングを外へ延ばすように、庭やテラスに過ごすための場所をつくる考え方です。ほかのスタイルが見た目の雰囲気で分かれるのに対して、アウトドアリビングは使い方で決まるスタイルです。和の素材でも、北欧風でも、リゾート風でもつくることができ、見た目の方向とは別に重ねて考えられます。
大切なのは、そこに出たくなる理由を外構の側で用意することです。窓を開けてすぐ出られること、座る場所があること、日差しや雨や人目をある程度しのげること、夜も灯りがあること。どれかが欠けると、せっかくのデッキやテラスが物干し場や物置になってしまいます。使われ続ける外の部屋をつくるには、見た目より先に、使う場面を具体的に描くことから始めます。

外を部屋に変える四つの要素(アウトドアリビングだけの所)
アウトドアリビングを、ただのデッキやテラスと分けているのは、床・屋根・壁・灯りの四つを、部屋と同じように組み立てる点です。
| 要素 | 部屋での役割 | 外でのつくり方 |
|---|---|---|
| 床 | 段差なく歩ける | 室内の床とできるだけ同じ高さでデッキやタイルを張る |
| 屋根 | 日差しと雨をしのぐ | テラス屋根、オーニング、パーゴラに日よけを掛ける |
| 壁 | 人目を遮り、落ち着かせる | 座ったときの目線を隠す高さの目隠しや植栽 |
| 灯り | 夜も使える | 手もとを照らす灯りと、まわりをほのかに照らす灯り |
なかでも見落とされやすいのが床の高さです。室内から外へ出るときに段差があると、それだけで出るのが面倒になり、使う回数が減ります。窓の下端の高さにデッキの面をそろえると、室内の床が外へ伸びたように感じられ、行き来が自然になります。
壁にあたる目隠しは、立ったときではなく、座ったときの目線を基準に考えます。道路や隣家の窓から座っている姿が見えなければ、全体を高い塀で囲わなくても落ち着いて過ごせます。四つすべてを最初から完璧にそろえる必要はなく、使いながら足していくこともできますが、床の高さと電気の配線だけは、あとから変えるのが難しいため、最初に決めておくのが安全です。
合う家・合う暮らし
アウトドアリビングが生きるのは、リビングやダイニングに大きな掃き出し窓があり、その前に庭やテラスをとれる家です。窓の前が南向きで日当たりがよければ、冬の昼も心地よく過ごせますが、夏は日よけが欠かせません。中庭のある家や、L字やコの字の平面を持つ家は、建物自体が目隠しの役目を果たすため、外の部屋をつくりやすい形です。
暮らしの面では、家で食事をする機会が多い人、友人を招いて過ごすことが好きな人、子どもを目の届く所で外遊びさせたい人に向いています。在宅で仕事をする人が、気分を変えるための場所として使う例もあります。逆に、外で過ごす時間をほとんど想定していないなら、手入れや費用に見合わないこともあるため、どの季節のどの時間に使うかを家族で話し合ってから計画するのがよいでしょう。
素材と色の選び方
床の素材は、主にウッドデッキとタイルデッキに分かれます。ウッドデッキは足ざわりがやわらかく、素足で出やすいのが利点です。天然木は風合いがよい反面、塗装などの手入れが要り、樹脂木は手入れが軽い代わりに、夏の日差しで表面が熱くなりやすい性質があります。タイルデッキは汚れに強く、テーブルや椅子を置いても傷みにくい一方、夏は照り返しが、冬は冷たさが気になることがあります。
色は室内の床や建具の色に近づけると、内と外がひと続きに見えます。室内が明るい木の床なら明るい色のデッキ、濃い色の床なら濃い色のタイルというように、窓をはさんで色がつながるようにするのがこつです。目隠しや屋根の素材は、建物の外壁やサッシの色と合わせると、後から付け足した感じが出にくくなります。
植栽
アウトドアリビングの植栽は、眺めるためだけでなく、居心地をよくするために使います。デッキの西側や南側に落葉樹を一本植えると、夏は木陰をつくり、冬は葉を落として日差しを通してくれます。屋根だけでは防ぎきれない低い西日も、枝葉がやわらげてくれます。
目隠しを塀だけで済ませず、手前に植物を添えると、囲まれた感じが和らぎます。常緑の中木を目隠しの前に並べたり、プランターに背の高いグラス類を植えて仕切りにしたりすると、季節によって表情が変わる柔らかな壁になります。ハーブ類をデッキの近くに植えておけば、料理に使ったり、香りを楽しんだりと、外の部屋での過ごし方が広がります。虫が気になる場合は、デッキのすぐそばに花の多い植物を集めすぎないようにします。
門まわり・駐車場・塀との関係
アウトドアリビングは主に庭側につくりますが、門まわりや駐車場との関係も考えておく必要があります。道路に面した庭にデッキをつくる場合、門から玄関へのアプローチとデッキが近いと、来客や通行人の視線が気になります。アプローチとデッキの間に植栽や低い壁を挟み、動線と居場所を分けると落ち着きます。
駐車場とデッキが隣り合う場合は、車の出し入れの音や排気が気にならないよう、間に目隠しや植栽を設けます。一方で、買い物の荷物を運んだり、バーベキューの道具を出し入れしたりする動線は短いほうが便利です。勝手口やキッチンからデッキへ直接出られる経路をつくっておくと、食事の準備や片付けが楽になり、外で過ごす回数が自然に増えます。塀は、座る場所の背後だけをしっかり囲い、それ以外は低く抑えると、閉じすぎない居場所になります。
費用の目安
アウトドアリビングの費用は、床の面積と素材、屋根の有無、囲いの程度で大きく変わります。公開されている相場をもとにした目安は次のとおりです。費用は地域・敷地・材料で変わります。
| 工事 | 目安 |
|---|---|
| ウッドデッキ(天然木・ハードウッド) | 1㎡あたり約5万〜7万円 |
| ウッドデッキ(天然木・ソフトウッド) | 1㎡あたり約3万〜6万円 |
| ウッドデッキ(人工木) | 1㎡あたり約2万〜8万円 |
| テラス屋根(土台となるテラスがある場合) | 10万〜30万円 |
| テラス屋根(土台となるテラスがない場合) | 15万〜35万円 |
| ガーデンルーム・サンルーム | 50万〜80万円 |
| 照明・ライト | 10万〜25万円 |
ガーデンルームは地盤の状態によって追加の費用がかかることがあります。タイルデッキやパーゴラ、屋外の水栓やコンセントについては、出どころのはっきりした相場が見つからなかったため、ここでは目安を出していません。見積もりでは、床の下地や基礎、電気工事が含まれているかを確かめてください。
失敗しやすい所
いちばん多いのは、つくったものの使われなくなることです。原因の多くは、夏の暑さ、人目、虫、段差のどれかにあります。南向きのデッキに日よけがなければ、夏の昼はとても出られませんし、道路から丸見えなら落ち着いて食事ができません。計画の段階で、季節ごとの日の当たり方と、道路や隣家からの見え方を確かめておくことが大切です。
次に、電気と水の準備不足です。夜に使いたいのに照明がない、ホットプレートを使いたいのにコンセントがない、掃除や水やりのたびにホースを長く引き回す。こうした不便は、あとから工事をすると費用がかさみ、配線や配管が見えてしまうこともあります。照明の位置、屋外コンセント、水栓は、床や壁をつくる前に決めておきます。
広さの見込み違いも起こりやすい所です。テーブルと椅子を置き、人が座って後ろを通れるだけの奥行きがないと、窮屈で使いにくくなります。置きたい家具の大きさを先に決め、それが余裕をもって収まる広さを確保してから、床の形を決めると失敗しにくくなります。
よくある質問
ウッドデッキとタイルデッキはどちらがよいですか。
素足で出ることが多く、足ざわりを重視するならウッドデッキ、テーブルや椅子を常に置き、汚れや傷に強い床が欲しいならタイルデッキが向いています。室内の床の色や質感とつながるほうを選ぶと、内と外が一体に見えます。
屋根は必要ですか。
日差しの強い向きや、雨の日にも使いたい場合は、屋根があると使える日が大きく増えます。屋根を付けると室内が暗くなることもあるため、光を通す屋根材を選ぶか、開け閉めできる日よけにするなど、室内の明るさとの兼ね合いで選ぶとよいでしょう。
目隠しはどのくらいの高さが必要ですか。
立ったときではなく、座ったときの目線が道路や隣家から見えないことを基準に考えます。敷地と道路の高低差や、隣家の窓の位置によって必要な高さは変わるため、現地で椅子に座って確かめてから決めると確実です。
後から屋根や照明を足すことはできますか。
屋根や照明は後から足すこともできます。ただし照明やコンセントの配線は、床や壁を仕上げたあとに通すと見た目が悪くなりやすく、費用もかさみます。すぐに付けない場合でも、配線の管だけは先に通しておくと、後の工事が楽になります。
バーベキューはできますか。
床の素材や隣家との距離によります。天然木や樹脂木のデッキの上で直接火を使うと、焦げや変形の原因になるため、タイルやコンクリートの場所を使うか、耐熱の板を敷くなどの対策をとります。煙やにおいが隣家に向かわないか、自治体や管理規約に決まりがないかも事前に確かめておきます。
参考にした資料
- アットホーム「ウッドデッキの費用相場」(2025年11月25日更新)(www.athome.co.jp)
- 比較ビズ「テラス屋根設置の費用相場は?」(2023年3月28日更新)(www.biz.ne.jp)
- 比較ビズ「外構工事の費用相場|予算内でどこまでできる?」(2024年9月19日更新)(www.biz.ne.jp)




