- 1敷地の周りを塀と門で閉じる
- 2門扉とカーゲートで出入りを区切る
- 3高さと素材で圧迫感が決まる
クローズ外構とは
クローズ外構は、敷地の境界に沿って塀やフェンスを立て、門扉とカーゲートで出入り口を閉じる外構の形です。和風やモダン、南欧といった見た目のテイストとは別の軸で、「どこまで囲うか」という囲い方の選び方の一つにあたります。どのテイストでもクローズにできますし、同じクローズでも素材と高さで印象はまったく変わります。
かつての日本の家は、生垣や塀で敷地を囲うのが当たり前でした。今の住宅地では開放的な外構も増えていますが、人通りの多い道に面した家や、庭を家族だけの場所として使いたい家では、囲うことの意味は今も大きいままです。囲いは、外からの視線や侵入を防ぐだけでなく、敷地の内側に落ち着いた「外の部屋」をつくる役目も持っています。

合う家・合う暮らし
クローズ外構が向いているのは、交通量や人通りの多い道路に面した家、隣家や通りとの距離が近い家です。小さな子どもや犬が道路へ飛び出す心配を減らしたい家族にも、囲いは大きな安心になります。庭でくつろいだり、洗濯物を干したり、子どもを遊ばせたりと、外での時間を人目を気にせず過ごしたい人にとって、囲いは部屋の壁と同じ役割を果たします。
反対に、敷地が狭く、建物と境界の距離がほとんどない家では、高い塀が窓の前に迫って暗く感じることがあります。日当たりや風通しを大切にしたい場合は、囲う範囲を絞るか、透ける素材を選ぶことを考えてください。
オープン・セミクローズとの違い
外構の囲い方は、大きく三つに分かれます。
| 囲い方 | 境界の扱い | 向く暮らし |
|---|---|---|
| クローズ | 塀・門扉・カーゲートで閉じる | 人目を避けたい・飛び出しを防ぎたい |
| セミクローズ | 一部を囲い、一部は開ける | 庭だけ守り、玄関先は開きたい |
| オープン | 囲いをほぼ設けない | 開放感と費用の軽さを優先したい |
それぞれの詳しい特徴は、オープン外構とセミクローズ外構のページで扱っています。
囲いの素材と高さの決め方
クローズ外構の印象は、囲いの素材と高さでほぼ決まります。素材は大きく分けて、ブロックや塗り壁などの「閉じる素材」と、アルミの格子や板張りのフェンスなどの「透かす素材」があります。全周を閉じる素材で囲うと要塞のように重く見えるので、道路側の下半分をブロックや塗り壁にし、上半分を格子や板のフェンスにする組み合わせがよく使われます。
高さは、何を隠したいかから逆算します。庭で座っている人の頭を隠したいのか、立っている人の目線まで遮りたいのか、窓の中を見えなくしたいのかで、必要な高さは変わります。高くするほど圧迫感と費用が増すので、隠したい場所だけを高くし、他は低めに抑えると、囲いながらも重くなりません。敷地と道路に高低差がある場合は、道路側から見た高さと、庭の内側から見た高さが違うことにも注意してください。
| 素材 | 持ち味 | 気をつけたい所 |
|---|---|---|
| ブロック塀・塗り壁 | 視線と音をしっかり遮る | 重く見えやすい・高さに法の決まり |
| アルミ形材のフェンス | 軽く、手入れが少ない | 色と格子の幅で印象が変わる |
| 木・樹脂木のフェンス | やわらかく温かい | 天然木は塗り直しが要る |
| 生垣 | 緑で囲い、圧迫感が少ない | 刈り込みの手間がかかる |
植栽
囲いの内側は人目が届かないぶん、植栽を自由に楽しめます。一方で、塀の外側にも少し緑を出すと、道路から見たときの硬さが大きくやわらぎます。塀の位置を境界から少し下げて道路側に植栽の帯をつくる、門の脇にだけ木を一本植えるといった工夫で、閉じた外構でも街並みにとけ込みます。
塀の代わりに生垣で囲う方法もあります。常緑の低木を並べれば、季節を問わず目隠しになり、ブロック塀より圧迫感が少なく、地震で倒れる心配も小さくなります。ただし、年に何度かの刈り込みが必要で、育つまでの数年は目隠しの効果が十分でないことを知っておいてください。塀の内側に木を植える場合は、壁際は日当たりや風通しが悪くなりやすいので、日陰に強い種類を選びます。
門まわり・駐車場・塀の組み方
クローズ外構では、門扉とカーゲートが毎日の使い勝手を左右します。門扉は、開き戸なら開く向きに十分な余白が必要で、引き戸なら壁沿いに戸を引き込む長さが要ります。玄関までの間に門扉があると、宅配の受け取りや来客のたびに開け閉めが必要になるので、ポストや宅配ボックスは門扉の外から入れて内側から取り出せる形にすると、手間が減ります。
カーゲートには、伸縮式、跳ね上げ式、引き戸式などの種類があり、開くのに必要な場所や、開け閉めの手間が違います。毎日車を使う家では、雨の日に車を降りて開け閉めする負担が思った以上に大きいので、電動にするかどうかも含めて検討してください。
塀は、道路側・隣家側・裏側で役割が違います。道路側は見た目と防犯、隣家側は視線と境界の確かさ、裏側は通風と手入れのしやすさを優先すると、全周を同じ仕様にするより費用も抑えやすくなります。
クローズ外構だけの所:塀の安全と防犯
囲う外構では、塀そのものの安全が欠かせません。補強コンクリートブロック造の塀には建築基準法施行令で決まりがあり、高さは2.2m以下、厚さは高さ2m以下なら10cm以上、2mを超えるなら15cm以上とされています。高さが1.2mを超える場合は、長さ3.4m以下ごとに、塀の高さの5分の1以上突き出した控え壁を設けることも求められます。地震で倒れた塀は通行人を傷つけ、避難の道もふさぎます。高い目隠しが欲しい場合は、ブロックは低く抑え、その上を軽いフェンスにするのが安全な組み方です。
防犯については、囲えば安全とは限りません。高い塀は外からの視線を遮る一方で、いったん中に入った人も外から見えなくなります。見通しを保ちながら乗り越えにくい高さとして、1.5m〜1.8m程度を勧める解説もあります。塀の内側に死角をつくらないよう、窓や勝手口の近くには人感センサー付きの灯りを付け、門扉は鍵をかけられる物を選びます。足をかけやすい物置や室外機を塀際に置かないことも、乗り越えを防ぐ基本です。
費用の目安
クローズ外構は、囲う長さが長いぶん、外構の中でもっとも費用がかかりやすい形です。外構全体の費用は、クローズ外構で150万〜300万円程度とする調べや、約200万〜300万円とする調べがあり、オープン外構やセミクローズ外構より高めになります。数字は目安で、地域・敷地・材料で変わります。
| 工事 | 目安 |
|---|---|
| ブロック塀 | 1mあたり1.5万〜3万円 |
| アルミ形材フェンス | 1mあたり1万〜2.5万円 |
| 木製フェンス(樹脂木・人工木を含む) | 1mあたり1.5万〜3万円 |
| 目隠しの塀・塗り壁(左官仕上げ) | 1mあたり約2万〜5万円 |
| 門扉(片開き) | 5万〜15万円 |
| 門扉(両開き) | 10万〜40万円 |
費用を抑えるには、道路側だけをしっかり囲い、隣家側は既存の境界を生かす、裏側は低いフェンスにする、といったように場所ごとに仕様を変えるのが効果的です。古いブロック塀を取り替える場合は、自治体によって撤去や新設、生垣への切り替えの費用を一部助成する制度があるので、着工前に住んでいる地域の窓口で確かめてください。
失敗しやすい所
多いのは、囲ってみたら暗く、風が通らなくなったという後悔です。図面の上では気にならなくても、窓の前に高い塀が立つと、室内からの眺めは壁だけになります。塀の高さを決める前に、窓から外を見る目線の高さで、何がどこまで見えるかを確かめておくことが大切です。
車の出し入れも見落とされがちです。駐車場の両脇を高い塀で囲うと、道路に出るときに歩行者や自転車が見えにくくなります。出入り口の脇だけは塀を低くするか、透ける素材にして見通しを確保してください。また、雨水の流れも確かめておきたい所です。塀で囲った敷地は水の逃げ場が少なくなり、大雨のときに庭に水がたまることがあります。塀の足元の排水を計画の段階で決めておくと安心です。
よくある質問
クローズ外構にすると防犯性は上がりますか。
門扉に鍵をかければ、気軽に敷地へ入ることは難しくなります。一方で、塀の内側が外から見えなくなるため、いったん入られると気づかれにくい面もあります。灯りやセンサー、塀際に足がかりを置かないといった対策を合わせて考えることが大切です。
後からクローズ外構に変えることはできますか。
できます。ただ、塀の基礎や門扉の柱は地面を掘って据えるため、すでに舗装や植栽がある所を壊してやり直す工事が出ます。将来囲うつもりがあるなら、新築時に基礎や配線だけ先に入れておく方法もあります。
古いブロック塀があります。そのまま使えますか。
高さや厚さ、控え壁の有無、ひび割れや傾きがないかを確かめる必要があります。基準に合わない塀や傷んだ塀は、地震で倒れる危険があるので、専門の業者に点検を頼んでから判断してください。
クローズ外構は閉鎖的に見えませんか。
全周を同じ高さの重い素材で囲うと、閉鎖的に見えがちです。道路側の一部を植栽の帯にする、上部を透ける素材にする、門まわりだけ素材を変えるといった工夫で、囲いながらも街並みに開いた印象をつくれます。
宅配の荷物はどう受け取ればよいですか。
門扉の内側まで配達の人が入らなくて済むよう、塀や門柱に宅配ボックスを組み込み、外から入れて内側から取り出せる形にすると便利です。大きな荷物の受け取りが多い家は、ボックスの大きさと、門扉のそばにインターホンを置く位置を合わせて考えてください。
隣家との境の塀は、どちらが費用を出すのですか。
境界の塀をどちらの敷地に、誰の費用で建てるかは、隣家との話し合いで決まります。後のもめごとを避けるため、自分の敷地の内側に建てるのか、境界線上に共同で建てるのかを、工事の前に隣家と確かめておくと安心です。
参考にした資料
- 外構工事にかかる費用は?目安や相場、工事費用を抑えるコツまで解説(東急リバブル l-note)(www.livable.co.jp)
- 【場所別】外構(エクステリア)の工事費用!施工例・見積もり例を参考に予算総額を確認しよう(ミツモア)(meetsmore.com)
- 新築の外構費用の相場はいくら?内訳と費用を安く抑えるコツ10選(CREX GROUP)(crexgroup.com)
- ブロック塀等の維持管理についてのお願い(文京区)(www.city.bunkyo.lg.jp)




