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レンガの小道とバラのアーチ、草花を重ねたボーダー花壇の庭

English Garden / 見た目のテイスト

イングリッシュガーデン

季節ごとに入れ替わる花、レンガの小道、つるバラのからむアーチ。イングリッシュガーデンは、植物そのものを主役にして、庭を少しずつ育てていくスタイルです。完成した姿を最初に決めきるより、毎年の手入れの中で景色が深まっていく。その時間を楽しめる人のための外構です。門や塀は植物を引き立てる背景にまわり、庭そのものが家の顔になります。

写真はイメージです(AI で作成)

  • 1草花を重ねたボーダー花壇
  • 2古びた風合いのレンガと木
  • 3小道とアーチで庭を区切る

イングリッシュガーデンの外構とは

イングリッシュガーデンは、イギリスの田舎家の庭に由来するスタイルです。幾何学的に整えた庭とは反対に、背の高さも色も違う草花を自然に混ぜ、野原のような重なりを人の手でつくります。そこにレンガや石の小道、木の門、つる植物を這わせたアーチが加わり、庭の中を歩きながら景色が移り変わっていきます。

外構としてみると、門まわりや塀は控えめで、植物を引き立てる背景の役に回ります。主役はあくまで花壇と植物で、構造物は古びた風合いを持つ物を選び、植物とともに年月を重ねていくのが理想です。最初の一年より三年目、五年目のほうが美しくなる。この時間の流れを前提に計画するのが、ほかのスタイルとの大きな違いです。

古びたレンガの縁取りからこぼれる宿根草の寄せ植え
写真はイメージです(AI で作成)

合う家・合う暮らし

レンガ調や塗り壁の外壁、勾配の急な屋根、格子の入った窓を持つ洋風の家とよく合います。外壁が淡い色の洋風住宅なら、外構でレンガを使うと家と庭がつながって見えます。箱形の簡素な家でも、庭の一角を区切って植物で満たせば、窓から見える景色としては十分に成り立ちます。

何より大切なのは、手入れの時間を楽しめるかどうかです。花がら摘み、季節ごとの植え替え、夏の水やり、冬の剪定。週末に庭で過ごす時間を負担ではなく楽しみと感じる人に向いています。手入れにかけられる時間が少ない場合は、花壇の面積を小さく絞り、残りを低木や芝にする設計にすると続けやすくなります。

庭仕事を家族の楽しみにしたい家にも向いています。子どもと一緒に球根を植え、春に芽が出るのを待つ。季節の花を切って室内に飾る。庭が眺めるだけの場所ではなく、暮らしの手仕事の場になることが、このスタイルのいちばんの魅力です。

ナチュラルとの分かれ目:植物が主役かどうか

木やレンガを使った素朴な外構という点では、ナチュラルスタイルと似て見えます。分かれ目は、何が主役かです。ナチュラルな外構は、門柱や木のフェンス、芝の広がりといった素材の素朴さで家全体を温かく見せることが中心で、植物は手間のかからない木や下草が多くなります。イングリッシュガーデンは、草花の重なりそのものが目的で、外構の構造物は植物を見せるための額縁です。

見る所イングリッシュガーデンナチュラル
主役草花のボーダー花壇木・芝・素朴な素材
植物の種類宿根草や一年草を多種類手間の少ない木と下草
手入れ季節ごとに手をかける少なめで保てる
庭の形小道とアーチで区切るひと続きの広がり

迷ったら、庭で過ごしたい時間を思い浮かべてください。土をいじる時間が楽しみならイングリッシュガーデン、眺めてくつろぐ時間が中心ならナチュラルのほうが暮らしに合います。

素材と色の選び方

レンガは、角が少し欠けたような古びた風合いの物や、色むらのある物を選ぶと植物になじみます。新品のようにそろった赤いレンガは、庭全体を若く見せてしまいます。小道には、レンガのほか、平らな自然石を飛び石状に置いたり、砂利と組み合わせたりすると、歩くたびに足元の表情が変わります。

門扉やアーチ、ベンチなどの木の部分は、くすんだ緑や灰色がかった青、白などで塗装すると、花の色を邪魔しません。金物は錆びた鉄のような黒や焦げ茶の物が合います。全体の色は控えめにして、花の色をいちばん目立つ色にする。これがイングリッシュガーデンの色の考え方です。花壇の縁取りもレンガや自然石で低く立ち上げると、植物がこぼれるように咲いたときに縁が隠れ、柔らかな輪郭になります。

植栽

庭の背骨になるのはボーダー花壇です。塀やフェンスに沿って細長い花壇を設け、奥に背の高い植物、手前に低い植物を置いて高さの段差をつくります。ジギタリスやデルフィニウムのように縦に伸びる花、ゲラニウムやネペタのように広がる花、ラムズイヤーのような銀色の葉を混ぜると、層のある景色になります。

宿根草を中心にすると、毎年植え替える手間が減り、年を追うごとに株が育って庭が充実していきます。つるバラやクレマチスはアーチやフェンスに這わせ、目線の高さにも花を持ってくると、庭の立体感が増します。日本の夏は高温多湿で、イギリスの庭の植物がそのまま育つとは限りません。暑さに強い品種を選び、風通しのよい配置を心がけることが、病気を減らすいちばんの近道です。

花の色は、同じ系統の色を帯のように並べ、少しずつ移り変わるように配置するとまとまります。白と淡い紫、淡いピンクを中心にして、濃い色は所々に置く程度にすると、遠くから見ても落ち着いた景色になります。

門まわり・駐車場・塀の組み方

門まわりは、レンガを積んだ低めの門柱に木製の門扉を合わせ、脇につるバラのアーチを立てる組み方が典型です。道路から玄関までの小道を少し曲げ、両側を花壇にすると、短い距離でも庭を通り抜けて家に入る感覚が生まれます。

駐車場は植物を植えられない場所なので、コンクリートの面積をなるべく絞り、車輪の通る部分だけを舗装して間に芝や地面を覆う植物を入れる方法もあります。塀はレンガや木のフェンスを、植物の背景になる高さで立てます。真っ白なアルミの目隠しは花の背景として硬く見えるので、使う場合はつる植物を這わせてやわらげると、庭の景色になじみます。

道具の置き場も、計画の段階で決めておきたい所です。スコップや鉢、肥料、ホースなどが増えていくスタイルなので、木の小屋風の物置を庭の奥に置き、まわりをつる植物や花壇で囲むと、収納そのものが庭の景色の一部になります。物置の扉を門扉と同じ色に塗ると、庭全体に統一感が生まれます。

費用の目安

イングリッシュガーデンは構造物の費用より、土づくりと植物、そして毎年の手入れに予算が回るスタイルです。数字は目安で、地域・敷地・材料で変わります。

工事目安
整地・土壌改良5万〜20万円
アプローチ(レンガ・インターロッキング)1㎡あたり1.5万〜2.5万円
アプローチ(自然石)1㎡あたり2万〜4万円
木製フェンス(樹脂木・人工木を含む)1mあたり1.5万〜3万円
天然芝1㎡あたり3,000〜6,000円
立水栓(標準・工事費込み)3万〜6万円

レンガ敷きは、業者に頼むと5㎡ほどで10万円程度という目安もあります。花壇の草花は少しずつ買い足していけるので、最初は土と小道と水まわりに予算を割き、植物は数年かけて増やすという順番が、無理のない進め方です。

失敗しやすい所

よくあるのは植えすぎです。苗のうちは小さくても、宿根草は数年で大きく広がります。最初から隙間なく植えると、二年目には混み合って風が通らず、蒸れて病気が出やすくなります。育った姿を想定して、株と株の間を空けておくことが大切です。

土を甘く見るのも失敗のもとです。新築の庭は建築時の残土で固く締まっていることが多く、そのまま植えても根が張りません。最初に土を入れ替えたり改良したりする手間を省くと、何年たっても庭が育たない、という結果になりがちです。もうひとつ、水やりの動線も見落とされます。花壇から遠い場所にしか水栓がないと、夏の水やりが重労働になります。花壇の近くに立水栓を設けるか、ホースが届く位置を最初に確かめてください。

最後に、すべてを一度に完成させようとすることも失敗につながります。植物は根づくまで時間がかかり、場所との相性も植えてみないと分からない物があります。初年度は骨組みとなる低木と小道を整え、草花は育ち方を見ながら毎年少しずつ足していくほうが、結果として美しい庭に近づきます。

よくある質問

日当たりが悪い庭でもイングリッシュガーデンはつくれますか。

半日陰を好む植物を選べばつくれます。ギボウシやアジサイ、シダ類、ツワブキなど葉の形や色が美しい植物を中心にし、明るい色の葉で影を明るく見せる、シェードガーデンと呼ばれる形が向いています。

どれくらいの手入れが必要ですか。

花の咲く季節は、花がら摘みや水やりで週に何度か庭に出ることになります。宿根草中心にして一年草を減らす、花壇の面積を絞るといった工夫で負担は軽くできますが、手をかけるほど美しくなるスタイルだという前提は持っておいてください。

小さな庭や玄関先だけでも雰囲気は出せますか。

出せます。玄関までの小道の脇に細い花壇を一本通し、つるバラを一株だけ這わせるだけでも、イングリッシュガーデンらしい景色になります。面積が小さいほど植物を選び込めるので、かえってまとまりやすい面もあります。

バラは虫や病気が心配です。

バラは病気にかかりやすい植物ですが、病気に強い品種を選び、風通しのよい場所に植えると手間は大きく減ります。バラにこだわらず、クレマチスやほかのつる植物でアーチを飾る方法もあります。

冬の庭が寂しくなりませんか。

宿根草の多くは冬に地上部が枯れるため、花壇が土だけになる時期があります。常緑の低木や銀色の葉の植物を骨組みとして入れておき、レンガの小道やアーチなど構造物の形でも冬の景色を支えると、寂しさはやわらぎます。

芝生とボーダー花壇は一緒につくれますか。

つくれます。芝生の緑は花壇の色を引き立てる背景になり、イギリスの庭でもよく見られる組み合わせです。ただ、芝が花壇に入り込まないよう、境目にレンガや金属の縁取りを入れておくと、手入れがずっと楽になります。

参考にした資料

  • 新築の外構費用の相場はいくら?内訳と費用を安く抑えるコツ10選(CREX GROUP)(crexgroup.com)
  • レンガ敷きはDIYできる?自分で敷く方法と依頼した場合の費用相場(くらしのマーケットマガジン)(curama.jp)

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