本文へ
株立ちの落葉樹が重なり、木漏れ日が落ちる雑木の庭の外構

Woodland Garden / 見た目のテイスト

雑木の庭

雑木の庭は、コナラやアオダモ、ヤマボウシといった山に自生する木を、株立ちのまま何本も植えて、林の縁のような景色を家のまわりにつくるスタイルです。整えた形を見せる庭ではなく、木が育ち、葉が落ち、季節ごとに表情が変わることそのものを楽しみます。ここでは樹種の組み方と、木陰と日差しの扱い方、手入れと費用の目安を見ていきます。

写真はイメージです(AI で作成)

  • 1落葉樹の株立ちを何本も重ねて植える
  • 2夏は木陰、冬は日だまりをつくる配置
  • 3刈り込まず、透かす剪定で育てる

雑木の庭とは

雑木とは、もともと薪や炭に使われてきた里山の木々のことです。コナラ、クヌギ、エゴノキ、アオダモ、ヤマボウシ、イロハモミジなど、人の暮らしのすぐそばで育ってきた木を、庭の主役に据えるのが雑木の庭です。一本の名木を見せるのではなく、何本もの木が重なり合い、枝先が揺れ、木漏れ日が地面に落ちる。そうした林の中にいるような感覚を、玄関までの数歩や窓の外に持ち込みます。

この庭は完成した瞬間が一番美しいわけではありません。植えてから数年かけて枝が広がり、下草が根づき、落ち葉が土を育てていくことで、少しずつ林らしくなっていきます。時間とともに育つことを前提にした、長い目で付き合う庭だと考えると、計画の立て方が変わってきます。

株立ちの幹の足もとに下草と自然石の小道が続く寄り
写真はイメージです(AI で作成)

木陰と日差しの設計(雑木の庭だけの所)

雑木の庭がほかのスタイルと最もちがうのは、落葉樹の性質を住まいの快適さに使う点です。夏は葉が茂って強い日差しを遮り、地面と窓辺に涼しい木陰をつくります。冬は葉が落ちて枝だけになり、低い日差しが部屋の奥まで届きます。木を飾りとしてではなく、季節で働きの変わる日よけとして置くわけです。

そのため、配置は景色の見え方だけでなく、太陽の動きから考えます。南や西の窓の前に背の高い落葉樹を置けば、夏の午後の西日をやわらげられます。一方、北側や建物の陰には、日陰に強い常緑の木を混ぜておくと、冬でも緑が途切れません。

もう一つの特徴は、木を高低三層で重ねることです。上に高木、中ほどに中木、足もとに下草という重なりがあると、地面に直接日が当たりにくくなり、土の乾きや雑草の勢いが穏やかになります。林の構造をそのまま縮めて写すことで、見た目だけでなく、庭の中の環境まで林に近づけるのが雑木の庭の考え方です。

合う家・合う暮らし

雑木の庭は、木の外壁や塗り壁、ガルバリウムの外壁など、素材感のある家と相性がよいスタイルです。和の家にも、北欧風やシンプルな箱型の家にもなじむのは、木々の柔らかい輪郭が建物の直線を和らげてくれるからです。大きな窓やウッドデッキがある家では、室内から木々越しに外を眺める楽しみが生まれます。

暮らしの面では、季節の移ろいを身近に感じたい人、子どもに虫や鳥を見せたい人に向いています。落ち葉の掃除や、木の成長に合わせた剪定は避けられないので、それも庭仕事の楽しみとして受け止められるかが大切です。隣家との距離が近い場合は、落ち葉が飛ぶ方向や枝の張り出しも考えておく必要があります。

素材と色の選び方

雑木の庭では、植物が主役で、床や塀などの構造物は脇役です。素材は自然に近いものを選び、色を主張させないのが基本になります。アプローチは自然石の乱形張りや枕木、砂利、土を固めた舗装など、木漏れ日の影が映える素朴な表情のものが合います。

塀や目隠しは、木の板や木目調の材を選び、高さを抑えて木々の向こうに透けるくらいにすると、圧迫感が出ません。コンクリートの面が広く出る所は、目地を入れたり、縁に植栽を寄せて輪郭をぼかしたりすると、林の景色と喧嘩しなくなります。色は土や樹皮に近い茶、灰色、墨色の範囲に収めると、四季の葉の色が引き立ちます。

夜の照明も、素材選びの延長として考えておきたい所です。木の根もとから幹と枝を照らし上げると、夜には昼とは違う影絵のような景色が窓の外に生まれます。光の色は白すぎない暖かい色にし、灯りの数を絞って暗がりを残すと、林の奥行きが深く感じられます。

植栽

樹種は、高木、中木、下草の三つの層で考えます。高木にはコナラ、アオダモ、ヤマボウシ、イロハモミジ、エゴノキなど、株立ちで幹が細く分かれるものがよく使われます。株立ちは幹が何本も立ち上がるため、一本植えるだけで林のような軽やかさが出ます。

中木にはソヨゴ、ハイノキ、アセビ、マルバノキなどを入れ、高木の足もとを埋めます。常緑のものを混ぜておくと、冬に景色が寂しくなりません。下草にはヤブラン、ギボウシ、シダ類、ツワブキ、クリスマスローズなど、半日陰でも育つものを選びます。

植える本数は、最初から多めにして間隔を詰め、育つにつれて間引いたり透かしたりしていくと、早く林らしさが出ます。同じ樹種を等間隔に並べず、高さも幹の太さもばらばらにして、三本、五本と奇数でまとまりをつくると自然に見えます。

植える時期にも気を配ります。落葉樹は葉が落ちて休んでいる晩秋から早春に植えると根づきやすく、真夏に植える場合は水やりの手間が増えます。家の完成時期と植え付けに向く季節が合わないときは、先に構造物を仕上げ、植栽だけ季節を待つという段取りも考えられます。

門まわり・駐車場・塀の組み方

門まわりは、門柱を木々の間に埋めるように置くと、雑木の庭らしい佇まいになります。門柱の前に株立ちの木を一本立て、表札や照明が枝越しに見えるくらいの関係にすると、道路から見ても林の入口のような景色になります。アプローチは真っすぐ通さず、木の間を縫うように少し曲げると、短い距離でも歩く楽しさが生まれます。

駐車場は木を植えられない面なので、まわりの植栽で囲み、車の上に枝が少しかかるくらいの位置に高木を置くと、林との一体感が出ます。ただし車の上に枝が張り出すと、樹液や落ち葉、鳥のふんが車に落ちることがあるため、樹種と位置は慎重に選びます。塀は低めに抑え、目隠しが必要な所は木々の重なりで視線をぼかすと、閉じすぎない柔らかな境界になります。

費用の目安

雑木の庭の費用は、植える木の本数と大きさでほぼ決まります。公開されている外構の相場では植栽一式が5万〜10万円とされていますが、これは樹木の数で変わる前提の数字で、何本も重ねて植える雑木の庭はこの幅に収まりにくいと考えておくのが現実的です。樹木の価格は樹種と樹高、株立ちかどうかで大きく変わるため、ここでは一本ごとの目安は出していません。

植えたあとに続く剪定の費用は、公開されている相場が次のとおりです。費用は地域・敷地・材料で変わります。

手入れ目安
庭木の剪定(低木・高さ3m未満)1本あたり2,500〜5,000円
庭木の剪定(中木・高さ3〜5m未満)1本あたり6,000〜10,000円
庭木の剪定(高木・高さ5〜7m未満)1本あたり15,000〜20,000円

雑木は放っておくと高く大きくなるので、高木の区分に入る前に透かして高さを抑えておくと、手入れの費用も上がりにくくなります。

失敗しやすい所

最も多いのは、木の育ち方を見込まずに植えてしまうことです。植えた直後はちょうどよく見えても、数年で枝が広がり、窓をふさいだり、隣地に張り出したり、雨どいに落ち葉が詰まったりします。成長したときの枝の広がりと高さを想定し、建物や境界から距離をとって配置することが大切です。

次に、剪定の仕方を誤ることです。雑木を生垣のように外側から刈り込むと、枝先が密になって不自然な形になり、林らしい軽さが失われます。込み合った枝を根元から抜く透かし剪定を基本にし、自然な樹形を保つことが欠かせません。また、日当たりの強すぎる場所に日陰を好む木や下草を植えると、夏に葉焼けを起こすことがあります。植える前に、それぞれの場所の日の当たり方を確かめておきましょう。

よくある質問

雑木の庭は落ち葉の掃除が大変ではありませんか。

秋から冬にかけては落ち葉が出ます。ただ、植え込みの中に落ちた葉はそのまま残して土に返すと、乾燥や雑草を抑える役目も果たします。掃除が必要なのは主に通路や駐車場、雨どいまわりなので、そこに枝が張り出しすぎない配置にしておくと手間を減らせます。

冬は枝だけになって寂しくなりませんか。

落葉樹だけで組むと冬は透けた景色になります。ソヨゴやハイノキ、アセビなどの常緑樹を全体の一部に混ぜておくと、冬でも緑が残ります。枝だけの冬の姿も、日差しが部屋に入る季節として楽しむ人が多いのが雑木の庭です。

虫は多くなりますか。

木の本数が増えるぶん、虫や鳥が訪れやすくなります。毛虫がつきやすい樹種もあるため、気になる場合は植える前に施工会社と相談して樹種を選ぶとよいでしょう。風通しをよくする透かし剪定は、虫が増えにくい環境づくりにも役立ちます。

狭い敷地でも雑木の庭はつくれますか。

つくれます。株立ちの木を一本から三本ほど選び、足もとに下草を入れるだけでも林の気配は出ます。成長が穏やかで大きくなりすぎない樹種を選び、建物との距離を確保しておくことが、狭い敷地で長く楽しむためのこつです。

自分で剪定できますか。

低い木や下草の手入れは自分でもできます。高木は脚立での作業が危ないうえ、透かし剪定は枝を見極める経験が要るため、数年に一度は専門家に任せ、その様子を見て日常の手入れを覚えていく方法が安心です。

植えてすぐに林のようになりますか。

植えた直後は枝葉がまだ少なく、まばらに見えることが多いものです。下草が広がり、木が根を張って枝を伸ばす数年のうちに、少しずつ林らしい重なりが出てきます。最初から完成形を求めず、育つ過程を楽しむつもりで計画すると満足しやすくなります。

参考にした資料

  • 比較ビズ「外構工事の費用相場|予算内でどこまでできる?」(2024年9月19日更新)(www.biz.ne.jp)
  • 比較ビズ「庭木剪定の費用相場はいくら?」(2024年4月17日更新)(www.biz.ne.jp)

Find

このスタイルを、地域の会社に相談する

都道府県と市区町村を選ぶと、その地域で外構工事を手がける会社が出ます。会社のページで施工の写真を見て、好みに近い会社を選んでください。

番地まで入れると、近い順がより正確になります。

地域から会社を探す スタイル