本文へ
濃い色の目隠しと大きな葉の植物に囲まれたアジアンリゾートの外構

Asian Resort / 見た目のテイスト

アジアンリゾート

アジアンリゾートの外構は、南の島の宿に着いたときのような、濃い緑に囲まれた静かな空気を家に持ち込むスタイルです。大きな葉の植物、暗い色の木と石、水の音、夜の柔らかな灯り。それらで外からの視線を遮り、内側にこもれる庭をつくります。ここでは、日本の気候で無理なく続けるための素材と植物の選び方、費用の目安を見ていきます。

写真はイメージです(AI で作成)

  • 1大きな葉の濃い緑で庭を包み込む
  • 2暗い色の木と石で、重みと落ち着きを出す
  • 3水の音と夜の灯りで宿の空気をつくる

アジアンリゾートの外構とは

アジアンリゾートは、東南アジアの高級リゾートホテルやヴィラの中庭を手本にしたスタイルです。高い塀や植栽で囲まれた中に、濃い緑の植物が重なり、足もとには暗い色の石や木の床、その先に小さな水盤やベンチがある。外の世界から切り離された、ゆったりとした時間が流れる場所をつくるのが狙いです。

ほかのスタイルと比べると、色の明度が低く、緑の量が多いのが特徴です。白や明るい色はあまり使わず、こげ茶や黒、濃い灰色を基調にして、そこに植物の深い緑を重ねます。昼は木陰と葉の重なりで涼しげに、夜は足もとからの間接照明で葉の影を浮かび上がらせる。昼と夜で表情ががらりと変わるところに、このスタイルの魅力があります。

暗い石の壁から落ちる水と、下から照らされた大きな葉の寄り
写真はイメージです(AI で作成)

囲いと水と灯り(アジアンリゾートだけの所)

アジアンリゾートを形づくる要素は、植物より先に三つの仕掛けにあります。一つ目は囲いです。道路や隣家から見える開けた庭では、リゾートの落ち着きは生まれません。背の高い目隠しや植栽で外を遮り、空だけが見える囲われた空間をつくることが出発点になります。

二つ目は水です。壁から細く水を落とすウォールファウンテンや、石の鉢に水をたたえた小さな水盤があるだけで、耳から涼しさが入ってきて、道路の音が遠のきます。三つ目は灯りです。上から明るく照らすのではなく、植物の根もとや壁の下から光を当て、葉の影を壁に映す。照らす所より暗がりのほうが多いくらいの加減が、宿の夜の雰囲気を生みます。

この三つは、ほかの南国風のスタイルと分ける目印にもなります。明るい日差しの下で開放的に過ごす西海岸や、乾いた地面に多肉植物を見せるドライガーデンと違い、アジアンリゾートは「こもる」「沈む」方向の心地よさを目指します。

合う家・合う暮らし

アジアンリゾートが合うのは、外壁が濃い色や塗り壁の家、軒が深く水平に伸びる家、平屋や中庭を持つ家です。大きな掃き出し窓の前にデッキを設け、室内と庭を一続きに使える間取りなら、リゾートらしさがいっそう引き立ちます。和の家とも相性がよく、木と石を多用するため、和モダンの家にアジアンの植物を合わせる組み方もよく見られます。

暮らしの面では、休日を家で過ごすことが多い人、外の目を気にせずくつろげる場所が欲しい人に向いています。夜に灯りを眺めながら過ごす時間を大切にしたい人にも合います。一方で、子どもが走り回ったり、大人数で集まったりする使い方が中心なら、開けた芝生の庭のほうが向いている場合もあります。

素材と色の選び方

素材は、暗い色で重みのあるものを選びます。床には黒や濃い灰色の石、ウッドデッキ、黒い玉砂利などが合います。デッキは天然木なら赤みのある硬い木が雰囲気を出しますが、手入れを軽くしたいなら濃い色の樹脂木も選択肢になります。

目隠し

塀や目隠しは、濃い茶色の木や樹脂木の横張りや縦格子、あるいは濃い色の塗り壁でつくります。素材を一種類に統一すると、植物の緑が背景からくっきり浮かび上がります。

添える物

石の鉢、素焼きの壺、竹や籐の家具、低い石の腰掛けなど、手仕事の質感がある物を少しだけ添えます。置物を増やしすぎると雑然とするので、視線の止まる所に一つずつ置く程度にとどめます。

色は茶、黒、灰色の三色を基本にし、差し色は植物の緑と、照明の暖かい光に任せるとまとまります。

植栽

アジアンリゾートの植栽は、大きな葉と縦に伸びる葉の組み合わせで南国らしさを出します。ただし本場のヤシや熱帯植物の多くは、日本の冬の寒さに耐えられません。地域の冬の冷え込みに合わせて、寒さに比較的強い植物を中心に組むのが現実的です。

高さを出す木には、シュロやシマトネリコ、ソテツ、トウジュロなどがよく使われます。中ほどにはヤツデ、ニューサイラン、コルジリネ、カンノンチクなど、葉の形に特徴のあるものを置き、足もとにはヤブラン、ギボウシ、シダ類、フイリアオキなどで緑の層を厚くします。寒さに弱い熱帯植物を使いたい場合は、鉢に植えて冬は屋内に取り込む方法をとると、庭の骨格を守ったまま楽しめます。

植物の量は多めにし、葉と葉が重なり合うように植えると、囲まれた感覚が強まります。

植物を選ぶときは、葉の大きさに強弱をつけることも意識します。大きな葉ばかりだと重たく、細い葉ばかりだと軽くなりすぎます。大きな葉の手前に細い葉を、縦に伸びる葉の足もとに丸い葉を、というように形の違う葉を隣り合わせると、少ない種類でも奥行きのある茂みになります。

門まわり・駐車場・塀の組み方

アジアンリゾートでは、門まわりを「宿の入口」のように扱います。道路から直接玄関が見えないよう、門柱や目隠しの壁を一枚立て、その裏に植栽とアプローチを回り込ませます。門柱の足もとに照明と植物を添えておくと、夜に帰ったときに出迎えられているような気分になります。

駐車場は暗い色の床と相性が悪くないものの、全面を濃い色のコンクリートにすると夏に熱を持ちやすくなります。車の部分は普通のコンクリートにして、縁や目地に黒い玉砂利や植栽を入れて引き締めると、熱と見た目の折り合いがつけやすくなります。

庭をしっかり囲うため、塀は高めの目隠しが中心になります。高さを出すぶん圧迫感が出やすいので、塀の手前に植栽を重ね、塀そのものが見える面積を減らすことが大切です。

アプローチの床は、門から玄関へ向かうにつれて素材を変えると、外から内へ入っていく感覚が強まります。道路側は普通のコンクリートや砂利、門をくぐった先は暗い色の石張りや木のデッキ、というように段階をつけると、短い距離でも宿の入口を歩くような気分が生まれます。

費用の目安

アジアンリゾートで費用がかさみやすいのは、囲いのための目隠し、くつろぐためのデッキ、夜の雰囲気をつくる照明の三つです。公開されている相場をもとにした目安は次のとおりです。費用は地域・敷地・材料で変わります。

工事目安
ウッドデッキ(天然木・ハードウッド)1㎡あたり約5万〜7万円
ウッドデッキ(人工木)1㎡あたり約2万〜8万円
樹脂・人工木のフェンス(工事費込み)1mあたり約1.5万〜3万円
照明・ライト10万〜25万円

水盤や壁泉は、大きさや給排水の工事の内容で費用が大きく変わり、公開された相場も見つからなかったため、ここでは目安を出していません。見積もりでは、ポンプや配管、電源の工事が含まれているかを確かめてください。

失敗しやすい所

まず気をつけたいのは、寒さに合わない植物を選んでしまうことです。南国らしさを求めて熱帯の植物を地植えにすると、冬に傷んで春には姿を失っていることがあります。地域の冬の寒さを施工会社と確かめ、地植えは寒さに耐えるものに限るのが安全です。

次に、暗くしすぎることです。濃い色の素材と密な植栽で囲むと、昼間も庭が暗く、湿気がこもりがちになります。北側の庭では苔やカビが出やすくなるため、風の通り道を残し、植栽の量を場所ごとに加減する必要があります。

水の設備も見落としやすい所です。水盤や壁泉は落ち葉や藻で汚れやすく、定期的な掃除やポンプの点検が欠かせません。手入れの手間をかけられない場合は、水を使わず、石の鉢に植物を植えるなどして、水の気配だけを表す方法もあります。

よくある質問

寒い地域でもアジアンリゾートの外構はできますか。

地植えの植物を寒さに強いものに絞れば、雰囲気をつくることはできます。南国の印象は植物だけでなく、暗い色の素材と囲い、灯りでも出せるため、寒い地域ほど素材と照明に比重を置くとよいでしょう。寒さに弱い植物は鉢に植えて冬は取り込むと安心です。

ウッドデッキは天然木と人工木のどちらがよいですか。

天然木の硬い木は質感と色の深みが魅力で、リゾートの雰囲気を出しやすい素材です。人工木は色が長く保たれ、塗り直しの手間が少なく済みます。素足で過ごすことが多い場合は、夏の表面の熱さも確かめてから選ぶと失敗しにくくなります。

目隠しを高くすると圧迫感が出ませんか。

塀だけで囲うと圧迫感が出やすくなります。塀の手前に植物を重ね、塀の色を濃い一色にそろえると、壁の存在感が背景に沈み、緑に包まれた印象に変わります。高さが必要な所と低くてよい所を分けることも効果があります。

水盤の手入れはどのくらい必要ですか。

落ち葉の除去や水の入れ替え、藻の掃除が定期的に必要です。ポンプを使う場合は点検も欠かせません。手間を減らしたい場合は、水の量を小さく抑えた壁泉にするか、水を使わない石の鉢で水の気配だけを表す方法もあります。

和の家にもアジアンリゾートは合いますか。

合います。木と石を多く使う点で和の家と共通する所が多く、植物を南国風にするだけでも雰囲気は変わります。竹や石の鉢を添えると、和とアジアの間をつなぐ落ち着いた庭になります。

夜の照明は何灯くらい必要ですか。

灯りの数は庭の広さで変わりますが、大切なのは数より置き方です。主役になる木や壁の前に一つずつ、足もとの通り道に控えめな灯りを加える程度から始め、暗がりを残すと宿らしい雰囲気になります。足りなければ後から足せるよう、配線の予備を計画段階で用意しておくと安心です。

参考にした資料

  • アットホーム「ウッドデッキの費用相場」(2025年11月25日更新)(www.athome.co.jp)
  • 外構ドクター「外構フェンスの費用はいくら?素材別・10m・20mの相場と内訳」(2026年10月26日更新)(seikatsu-doctor.co.jp)
  • 比較ビズ「外構工事の費用相場|予算内でどこまでできる?」(2024年9月19日更新)(www.biz.ne.jp)

Find

このスタイルを、地域の会社に相談する

都道府県と市区町村を選ぶと、その地域で外構工事を手がける会社が出ます。会社のページで施工の写真を見て、好みに近い会社を選んでください。

番地まで入れると、近い順がより正確になります。

地域から会社を探す スタイル